俺を好きになってよ。
こちらを見る目は酷く冷たい目だった。
「……」
「何も言わないって事は…やっぱり見てたんだ…」
「…迎えに行こうと思って…」
「勝手なことしないでよ」
奈那の冷たい言葉に何も言えなかった。
『勝手に外でないでよ』
ふと、あの人の言葉が頭をよぎり首を振った。
「…ごめん」
何で謝ってんだ、俺…
「先生に言う?それとも親に言う?」
俺は慌てて首を横にふる。
「そんな事しないよ。……でも何で…」
「ただの暇つぶしよ。あの子で遊んでるだけ。南だって同じでしょ?」
そうだ。俺は女の子をとっかえひっかえして遊んでいる。
告白するのも振るのも全部相手から。
自分でも最低な男だなと思っていても止まらない。
でもイジメなんて…
「奈那…。いくらなんでもそれはダメだよ」
優しく注意した。
でも俺の話は耳に届くことなく、彼女は同じ事を繰り返した。
俺の前では甘え、裏ではストレスをぶつけるためにイジメをする。
そんな彼女にうんざりしていた。嫌気が指していた。