俺を好きになってよ。
「あれ、そう言えば佐野くんは?」
「え?…いない?」
教室を見渡しても服を決めている子達で溢れかえっているけど、その中に南はいない。
どこか行ったのかな?
お礼言いたいし、ついでに探すかー。
むやみに探すより先になんとなく、あの場所に行った。
「…やっぱり、ここにいたんだ」
「あ、りっちゃん」
「あの木、もう枯葉しかないよね」
「だねー…」
南は中庭のベンチに座っていた。
「そう言えば、"やっぱり"って何?」
「え?…あ、なんとなく…ここかなって…」
南と初めて会った場所。
南は覚えてるのかな…?