俺を好きになってよ。

「りっちゃん、お腹すいてない?」

「…言われてみれば…。え、でも…」

「よし!模擬店いこー!!」


言われるまま連れてこられた模擬店。

わぁーいい匂い!!
どれも美味しそう!!!


「焼きそばもいいな〜!あ、りんご飴だ〜!!でもクレープもいいな……あ、ごめん…」


1人で食べ物に夢中になっていた…。
南も呆れているよね?


って思ったけど、南の手にはりんご飴が。

いつの間に。




「はい、あげる」

「えっ、南が食べるものでしょ?」

「欲しかったでしょ?だからあげる!」

グイっと口にりんご飴をつけた南。

絶対顔赤いよ…。

私はりんご飴を一口食べてみた。


口の中に甘さが広がって美味しかった。


「…りっちゃんのホッぺ、りんご飴みたい」

「……っ!」

そんなに赤くなってた!?
恥ずかしすぎる!!!



《さぁさぁ今年もやってまいりました〜!!》

そのマイクを通した声に私達は顔を見合わせる。

「何かイベントでもあるのかな…?」

「行ってみよっか!」

声のする方に行くとそこには人だかりが。

ステージみたいなものにはピンク色の飾りが沢山してあって…。


〈アナタもあの人に想いを…告白ステージ!!〉

なんていう看板があった。


つまり、これから始まるのは告白する人が出てくるってこと?


《好きな人に告白したいって人!!まだ受付はしております!!どんどん来てくださーい!!では、一人目の方の告白まで3、2、1loveっ!》

「ぼ、僕はマミちゃんが大好きだぁぁぁっ!!!」

一人目の人が告白すると観客は盛り上がる。

そして2人目、3人目とどこかにいる相手に告白していく。


告白して振られる人や、付き合う人。


恥ずかしいからいく人なんていない…って思ってたけどステージに結構な人いるじゃん…。



「…クラス戻ろっか………って南!?」

南が私の腕を引いて人だかりに入って行く。

何!?どうなってるの!?


ステージの前まで行くと私の腕を離し、南はステージに上がる。

「えっ!南!?」

「りっちゃんはそこで見てて」


《おやっ!これはこれは!!執事さんじゃないですか!告白いきますか!?》






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