俺を好きになってよ。
そう思ってたのに。
次の日もまた次の日もお母さんは、違う男の人をお父さんがいない時に連れてくる。
その時から僕の扱いも変わった。
「お母さん!明日親子行事が…」
「…暇じゃないの」
僕を見る目はとても冷たかった。
お父さんといる時もいつも喧嘩をするようになった。
理由はお母さんのふりんがバレたから。
昔はあんなに仲が良かったのに…。
美人で優しい自慢のお母さんはもういない。
もう昔には戻れないの…?
そんなの嫌だよ…!!
僕の願いは届くことなく離婚が決まった。
その次に決めるのはどっちが僕を連れていくかだった。
「母親ならちゃんと育てた方が…」
「嫌よ!あんな子がいると仕事の邪魔なのよ!」
「そんな言い方ないだろ!」
「なに?じゃあ、アナタが育てれば?」
僕はリビングに繋がる廊下でその話を聞いていた。
仕事って…ほとんど行かないくせに。
僕、何かしたの?
お母さんに何かした?
お母さんは僕の事嫌いなの…?