俺を好きになってよ。
「…おさまった?」
「うん…ごめんね…」
あれからどれだけ泣いてたんだろう。
校舎にいる人もまばらになっていた。
私が泣いている間、南は背中をポンポンしてくれた。
って、南を元気づけるつもりが私が元気づけてもらうとは……。
「ごめんね、南。…何の役にも立てなくて…」
「んーん?役に立ってるからいいの!おかげで目が覚めたし」
「…え?」
役に立った?
私が?
「りっちゃんがずっと横にいてくれるだけで俺は幸せなの!」
「南…」
南も前に進もうとしている。
さっき観た辛そうな顔は消えていて、スッキリした顔だった。
過去は消せないけど、それでもやる事は他にあるよね…。
「……今のプロポーズみたい…」
「そうって言ったらどうする?」
「……告白の前にプロポーズって…」
「だめ?」
意地悪そうな笑みを浮かべて聞いてくる。
そんなの決まってるじゃん。
「こちらこそ!!」