俺を好きになってよ。

その帰り道。


私は南に送ってもらっていた。

こうやって帰るのも久しぶりだな…。


「まさか、本当のカレカノになるなんてなー」

「だ、だよね！」


まだ実感湧きません！！！


「…俺、正直まだ実感湧いてないんだよね」

「え……」

「だから…りっちゃんが彼女でめちゃくちゃ嬉しい」


南も同じこと思ってくれてたの…？


「私も…！……私も嬉しいっ」

「……っ！」

「南…？」

顔赤いけど、どうしたのかな…？

「やばい…もたないかも」

「へ…？何が？」

「…キスしたくなっちゃった」

「なっ……」


キ、キキッ、キスだと！！！？？


「ねぇ…だめ？」

「だってここ外…！！」

「外じゃなかったらいい？」

「そういう問題じゃない！！」


だって心の準備が！！！


「…って言って俺不安なんだ。無理やりした日、泣かしちゃったから」


あの日のことを引きずって…？



「あれはびっくりしたけど…今は思いが通じあってるから…大丈夫だよ…？」

「りっちゃん…」



南の唇が重なる。


愛しくて。



甘いキスだった。