俺を好きになってよ。
言わないと伝わらないことがある。
私がする事じゃないけど、どうしても放っておけない。
「はぁ…いきなり走ったと思ったら着いたの俺が住んでるマンションだし…」
私達はエレベーターに乗り、9階のボタンを押す。
マンションは10階建てで上に行くにつれてお金が高い。
南の看病をした時も来たことあるけど9階って……。
恐るべし。
エレベーターが閉まると沈黙がはしる。
な、何か言わなきゃ…
「ご、ごめんっ!やっぱり挨拶ぐらいはしなきゃと思って…」
「別にいいのにー……それと?」
「え、それとって…?」
「他に何か言いたいんでしょ?」
う、お見通しか!!!
「…おせっかいだけど…ちゃんと向き合った方がいいと思って」
「……」
「慣れないかもしれないけど、少しずつでもいいから…」