俺を好きになってよ。
「…そう、だね…」
そう言った南の顔は曇っていた。
やっぱり、やりすぎだよね…。
これは南自身のことで、私には関係ない。
…でも後悔して欲しくないから。
「…りっちゃん、ありがとう。…俺、頑張ってみるわ」
「!!…南」
9階につき、エレベーターをおりて廊下を歩く。
そして南が玄関のドアを開けた。
「あら、早かったのね〜…って凛月ちゃん!?」
「ど、どうも…さっきぶりです」
「…明恵さん、父さんいる?」
「ええ、リビングにいるわよ?」
明恵さんがそう言うと、南が私の手を握り歩く。
リビングに行くとソファに南のお父さんと輝くんが座っていた。
わ…お父さんも大人の魅力が出てる…!!
親子揃ってカッコイイな。
「父さん、話があるんだけど」
「ん?南か。どうした……そちらは?」
「俺の彼女」
南が真剣に、静かに言ったから驚いた。
そして、私はさらに驚くことになる。
「…そうか…」
しばらくの沈黙があったあと、南のお父さんの言葉に驚いた。
え、意外と短い…。
ど、どうすれば…?
「あ、あの、みな…佐野くんとお付き合いさせてもらっている日高凛月と申します…!!とっ、突然訪問してしまってすみません!!!」
急に来ちゃったら驚くよね!?
怒ってるよね!?
「りっちゃんきょどりすぎ…」
だって落ち着かないんだもん!!!