俺を好きになってよ。
麻衣子まで…巻き込みたくない。
どうすればいいの…?
御守先輩はそんな私の心を読み取ったように口を開いた。
「あなたが…南をとったの。南の隣は私だけでいいの…」
何この人…
急に顔つきが変わった。目が…おかしい。
「南は、何でも言う事聞いてくれる。…私の為なら…何でも」
「なっ、何言って…!」
「これまでもそうだったのよ。中学の時だって私の為なら何でもしてくれたわ」
そこまで言ったところで御守先輩は止めた。
「でも、それはもう無理になった。…この意味分かるでしょ?」
「私と南は…本当は付き合ってません!」
本当のことを言うと、御守先輩は勝ち誇った様な顔を見せる。
「…やっぱり、南も遊びだったのね…」
そうだ。
どうせ、これはよっしー達に近づくための遊びだったんだ。
だから、バレたところで問題ない。
南もそう思ってるはず。
なのに。
「へぇ…そうだったの…。なら、南の近くにいても問題ないわよねぇ…?」
「…っ、か…勝手にして下さい!」
私は体育館を飛び出した。
走って走って…それでもこのモヤモヤは消えない。