俺を好きになってよ。
「よいしょっと…これで全部かな」
もー先生人使い荒すぎ。
クラス分のプリントをまとめておいてとか、無茶すぎだから。
断りきれない性格だからダメなんだよなー。
時計を見ると5時を回っていた。
途中までは麻衣子とよっしーが手伝ってくれたけど私は2人を帰らせた。
気まずいだけだし。
それに、2人も一緒に帰りたそうだったし。
だから、残りのぶんのプリントは私1人で黙々とまとめてたんだけど。
凄く疲れた。
私は大きく伸びをすると、立ち上がった。
まとめ終わったし、提出して帰るか。
ふと。
よっしーの机を見た。
よっしーの机は廊下側の3番目。窓側の1番後ろの私の席からは遠い。
よっしーはいつもあそこで授業受けてるのか…。
何となく。
特に意味もなくその席に近づいた。
「落書きしてある…南かな」
昼休み南ここの席使ってたからそうかな…。
ちょっと雑なクマだった。
南がクマなんて書くんだ。
それにおかしくて、笑ってしまう。
よっしーも落書きするのかな……
___ガラッ
「…っ、」
「あれ?りっちゃんまだいたのー?」
「何だ、南かよ!」
誰が来たかと思ったじゃん!
もしよっしーか麻衣子が来てたら危なかったし!
一瞬心臓止まったわ!
「俺は今から帰るからカバン取りに来たんだけど…りっちゃんは?」
そういえば、追試あって嫌だーとか男子達に言っていたな…。
それにしてもタイミングな!?
「私は先生に頼まれた仕事やってたの!」
「ふーん?由貴の机で?」
ゔっ…
痛いとこついてくる。
意地悪い笑顔までして。
「こ、これは…」
「まぁ、大丈夫!言わないから!」
ホントかな…。
でも私がよっしーを好きなこともバレてないから大丈夫だと信じておこう。