春の遠吠え
僕は、君の手を取ったんだったね。
そして取り囲んでいた男達を尻目に
足早にその場を後にした。
その時の僕と言ったら、
君に聞こえるんじゃないかってくらい
心臓は走っていたし、
君の手が痛いんじゃないかってくらい
強い力で手を握っていたし、
何より、手汗がひどかったね…。
思い出すとね、
やっぱり…かっこ悪い出会い方だった。
もっとかっこよく、
僕の方から助けてあげられたら
どんなによかっただろう
って今でも思うよ。