近いけど、遠い君へ (短)




だって

その「好き」は
他の人と違うんですもの。

そう、特別なの。

何にも変える事ができない
私にだけ言ってくれる

「好き」なの。

でも

それでは私は
幸せにはなれない。

みんなと同じ「好き」じゃなきゃ
私は幸せにはなれない。



ーーーーーーーーーー



去年の7月

私は思い切って
あなたに告白をした。

ずっと隠し続けて来た思い。

今も、これからも
言うつもりなんてなかった。

だけど、もう限界。

気持ちが溢れ出して苦しいの。

叶わないってわかっていても
伝えたくて、聞いて欲しくて。

だから

私は夏休みに告白をした。

あなたは驚いていたね。

まさか

この私から
本気の告白をされるなんて
夢にも思っていなかっただろう。

まぁ、それは
私も同じなんだけどね。

あなたに
想いを伝える日が来るなんて
思いもしなかったよ。




そして

そんな彼の返事はというと…



「俺も好きだ。」



そう

あなたは照れ臭そうに
そう言った。

私は嬉しかった。

正直、舞い上がった。


でも…






あなたは "残酷" だった。







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