近いけど、遠い君へ (短)
「でもな
好きだからこそ、お前とは
そういう関係にはなれないんだ。
だから…
ごめん。」
あー
なんであなたは
そんなにも
…泣きそうなの?
「お前は世界で一番
大切なんだ。
だから
手は出したくねえし
…いや、出せねえし
そんな関係にもなりたくねえ。
お前とはずっと
このままがいいんだ。
ずっと…
俺の隣にいて欲しいんだ。」
あー
あなたはなんて…
ーーーわがままなんだろう。
付き合えないのに
隣にいて欲しいなんて
あなたはどれだけ
残酷で
わがままなの?
「お前が傷つくような事はしたくねーし
この関係が崩れるのも嫌なんだ。
お前の事は特別だと思っている。
でも、だからこそ…
ーーーーー悪りぃ。」
あーあ。
なんであなたを
好きに
なってしまったんだろう?
悪りぃって、何?
どうして謝るの?
特別なんだから
仕方がないじゃない。
私は他の子とは違うの。
あなたにとって私は
ただ一人の、大切な…
幼馴染。
それ以下でも
それ以上でもない。
でもね?
あなたと
付き合えないし
触れ合えないのなら
こんな特別な関係なんて
いらない。