正直とてもしんどい。父親も最近ボケ始めているのに、妹があんな状態じゃ、私1人で全部抱え込めない。というか、そんなの絶対に嫌だ。めんどくさいし、何よりも自信が無い。私だけで上手く収められるのか。考えるだけでもうんざりした。今日もまた妹は部屋に閉じこもっていた。




気づけば朝だった。耳元でなり続けるスマホのアラームを止め部屋を出た。
昨晩は隣の部屋で騒ぐ妹のせいでよく眠れなかった。重いまぶたをこすり、大きなあくびをした。だるい。

シワのついた制服をパンッとはたいて、鏡で身だしなみを確認する。......だらしない自分が写し出された。
はぁ..と小さくため息をついた。なさけないなぁ。



「おはよー!」
友達のゆうかだった。
「あぁ、おはよ」
ニコッと笑って返したつもりだったがしんどそうに見えたのか、
「どうしたの?顔色悪いよ?」
と返された。
昨晩の事情を話すと友達は少し気味悪そうな顔をしてあぁ、そうなんだとだけ返事をした。
その顔嫌い。
「おっはよううう!」
「わっ!?」
私の背中を叩いて元気に挨拶してきたのは私の親友だった。
「もーりりかやめてよー」
「ふふ」
りりかは可愛い私の親友だ。男子女子両方から人気がありこんな私には手の届かない存在だと思っていた。なのに、初めてあった時彼女から声をかけてくれた。りりか。私の自慢の親友で唯一妹のことを気味悪がらずに優しく接してくれる神のような子だった。


神は言いすぎたかな?

でも本当に神様みたいだった。私とりりかが出会ったのは高校2年の頃。昔から人ととの距離をつかむのが苦手だった私はいきなり浮いていた。そんなとき一番に話しかけてくれたのがりりかだった。綺麗な黒髪に、サラサラなポニーテール。色素の薄い瞳は透き通って見えた。
「こんにちは。私りりか。呼び捨てで呼んで!」
ニコッと明るい笑顔を向けるりりかに私は惚れかけた。別に同性愛とかそんなんじゃなく、超絶美少女で、人を惹き付けるその魅力が、私をも虜にした。

それから大学生の今に至る。
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