24歳、恋愛処女
“なにもなかったんならよかった。
明日の約束、覚えてる?
いつものコーヒーショップで待ってるから、終わったら連絡して”
 
あれ?
怒ってない……のかな。

“わかりました。
楽しみにしています”

“うん。
おやすみ”

“おやすみなさい”
 
既読がついて画面を閉じる。

結局、怒ってたのかな、怒ってなかったのかな。
こういうとき、真人さんは感情を隠してしまうから困る。


 
翌日、仕事が終わって連絡したら、店を出て待ってるってメッセが返ってきた。
待たせると嫌だから、早歩きで。

「お待たせ、しま、した」

息を切らせ気味で店の前に到着すると、ちょうど真人さんが出てくるところだった。
< 106 / 158 >

この作品をシェア

pagetop