24歳、恋愛処女
「いつも比べるんだよみんな、俺と兄さん。
兄さん捨てて俺になびいたくせに、兄さんはあれしてくれた、これこれしてくれたって。
ムカつくよな」
「はあ」
それはあなたが真人さんから奪った女性のことでしょうか?
「小さいときからそうだった。
親も学校の先生も兄さんと比べて。
そりゃ人当たりもいいし勉強もできる兄さんはすごいかもしれないけど。
比べられて面白いわけないだろ」
「……それはわかるよ」
顔をあげた理央が、一瞬、はっと息を飲んだ。
「私も兄と比べられてたから」
兄は私の唯一にして最大のコンプレックスだ。
優秀な兄とそれに遙かに劣る妹。
私の周囲の、評価。
兄と私は同じビルに入ってる会社に勤めてるとはいえ、向こうはアッパーフロアの、しかも世界三大コンサルの一つ。
努力して国内大手であるいまの食品会社に入ったって、兄と比べて誰も褒めてくれなかった。
兄さん捨てて俺になびいたくせに、兄さんはあれしてくれた、これこれしてくれたって。
ムカつくよな」
「はあ」
それはあなたが真人さんから奪った女性のことでしょうか?
「小さいときからそうだった。
親も学校の先生も兄さんと比べて。
そりゃ人当たりもいいし勉強もできる兄さんはすごいかもしれないけど。
比べられて面白いわけないだろ」
「……それはわかるよ」
顔をあげた理央が、一瞬、はっと息を飲んだ。
「私も兄と比べられてたから」
兄は私の唯一にして最大のコンプレックスだ。
優秀な兄とそれに遙かに劣る妹。
私の周囲の、評価。
兄と私は同じビルに入ってる会社に勤めてるとはいえ、向こうはアッパーフロアの、しかも世界三大コンサルの一つ。
努力して国内大手であるいまの食品会社に入ったって、兄と比べて誰も褒めてくれなかった。