24歳、恋愛処女
置いてあるソファーは高級品なのか、とてもふかふかだった。
なんとなく場違いな気がしないでもないが、適当に置いてある雑誌を読みながら待つ。
けど、置いてある雑誌もセレブ系で……うん。

「二村さん、どうぞ」

予約外だから時間はかかったが、そのうち名前を呼ばれて読んでた雑誌を閉じる。
中に入ると細い廊下が続いてて、診察室は個室になっていた。

「こちらにどうぞ」

「はい」

開けられたドアに、中に入る。
もしかして診察用の椅子もセレブ仕様とかあるんだろうかとか興味津々だったけど、そこは近所の歯科医と大差なかった。
ただ、座った前には大画面で、ヒーリング系の映像が流れてるのと、アロマオイルでも焚いてるのか、ほのかにいい匂いがする。

「二村さんですね。
担当の荻原です。
よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

しばらくして入ってきた歯科医に少しだけがっかりした。
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