24歳、恋愛処女
思考の処理速度が追いつかなくて、処理しきれなかった分が涙になって出てくる。
泣き出した私にそっと、荻原さんがハンカチを差し出してくれた。

「まあ、どうだったとしても、俺と付き合うことになったんだし、いいよな」

「は?
二村さんはわかんないって云ってるだろ?
僕は諦めるつもりはないからな」

「なんでそんなに、この子に拘るんだよ」

「おまえこそ、いつものように僕に対する嫌がらせだろ」

再び喧嘩を始めたふたりに、どうしていいのかわからない。
おろおろと成り行きを見守っていたら、ふたりはとんでもない結論を出した。

「じゃあ、二村さんには僕らふたりとしばらく付き合ってもらって、それでどっちが好きか結論を出してもらうってことでいいな」

「望むところだ」

「じゃあ二村さん。
そういうことで」

にっこりとふたりが私に笑いかける。

……え?
え?
ええーっ!?

一体どういうことなのか、私にはさっぱりわかりません……。
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