24歳、恋愛処女
「お出かけ、ですか?」

「そう、デート」

はっきりそう云われると恥ずかしくなる。
黙ってしまった私に、真人さんはおかしそうにくすくす笑ってる。

「彩夏はデートも初めて?」

「……はい」

ええ、初めてですとも。
自分がちゃんと、デートだと自覚して約束するのは。

「じゃあ、僕とデートするまで理央とデートしちゃダメだよ。
彩夏の初めては全部、僕のもの」

嬉しそうに笑う真人さんに、このあいだの理央さんの言葉を思い出した。

「その。
……重く、ないですか」

「重い?」

「理央さんが二十四でその……処女、とか。
そういうのは重いって」

みるみるうちに真人さんの表情が曇っていく。

「理央は彩夏に、そんなことを云ったんだ」
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