24歳、恋愛処女
浴室に行くと、ずるずるとあたまのてっぺんまでお湯の中に浸かる。
真人さんはなんで、いちいちあんな恥ずかしいことするんだろう。
私が慣れてないだけで、世間一般的にはあれが普通なんだろうか。

 
あがってミネラルウォーターのペットボトルを一本飲み干し、自分の部屋のベッドに寝ころぶ。
バッグから携帯を出すと、メッセージが届いていることに気が付いた。

……真人さんと理央さん、両方から。

まるで、
「良い知らせと悪い知らせ、どっちから聞きたい?」
そう問われている気分。

悪いことからすませてしまった方が悪夢をみないですみそうな気がして、理央さんの方から確認。

“今日は悪かった。
お詫びじゃないけど明後日、もう一度食事に行かない?”
 
いや、あれから反省したとは思えないんですけど。
真人さんも二度とふたりで会わない方がいいって云ってたし。

“お断りします。
もう、今日みたいなことはごめんです”
 
送信したとたんに既読が付いた。
すぐに、ごめんって謝ってる、可愛いうさぎのスタンプが表示される。
……女の子受けの良さそうな奴。
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