24歳、恋愛処女
ここでふたりと付き合うようになった、などと云うとさらに面倒なことになりそうで。

「というか、ふたりとも二村さんには分不相応なんだから、私に紹介しなさいよ!」

さっきまでは適当に誤魔化しとこうと思ってたけど、かちんときた。

なんですか、あなたはあのふたりに相応しいと?

佐伯さんのような人には絶対に真人さんを会わせたくないし、理央さんだって気の毒だ。

「絶対に嫌です」

「どういうこと!?」

思いっきり見下してやったら、佐伯さんはうぅーっと低い唸り声をあげているが一歩も引く気はない。

私があのふたりに相応しくないって云われたことに怒ってるんじゃない。
佐伯さんが自分には合うって、なんだかふたりが軽く見られた気がして嫌なのだ。

「はいはい、そこまで、そこまでー。
絵梨ちゃん、早く着替えないと始業時間になっちゃうよ?
彩夏ちゃんは先に行って、今日の準備始めといてくれないかな」

見かねた木山さんがあいだに入ってくれて、一気に場が和む。
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