24歳、恋愛処女
「なに、ため息ついてばっかりで。
俺、今日はまだ、なにもしてないんだけど」

「……あなたのせいではないので」

いや、理央さんのせいといえばそうともいえるかも。
しかもいま、まだって云いました?

「仕事疲れ?
会社勤めも大変だな」

仕事疲れの方が数倍ましな気がします。
ほんと、女ってめんどくさい。

「そだ。
終わってから……って。
おまえは明日も朝から仕事だよな」

苦笑いの理央さんに首を傾げる。
今日はなんだか、いつもより優しい気がする。

「汗を流せば気分転換にもなるだろ。
明日はいいとこ連れて行ってやるから、楽しみにしとけ」

「……はい」

ぽんぽん、軽く私のあたまにふれると、いままで見たことない、まるで真人さんのような笑みを浮かべた理央さんは行ってしまった。
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