24歳、恋愛処女
連れてこられたのはさほど離れてないビルだったけど、……入っているメインが、スパなんですが。

「なに?
ああ、風呂は別だから問題ないよな」

……食事って話じゃなかったですっけ?

焦ってる私を引きずってロビーに向かい、理央さんは勝手に受付をしてしまった。

「ん、鍵。
俺はゆっくり風呂に浸かりたい方だから、二時間後にラウンジ。
あ、八時にエステ予約してるから、遅れずに行って。
じゃ、あとで」

手を取られて鍵を載せられても呆然としていたけれど、ぽん、エレベーターの到着を告げる音に我に返る。

「俺、下だから。
あんたは上」

「……はい」

閉まるエレベーターの扉にため息。
壁に掛かっている時計を見ると、七時少し過ぎ。

……とりあえずお風呂行って、そのあとエステですか。
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