リミット・デイズ
もし明日、りっちゃんがイキナリこの世から居なくなってしもうたら。
小さい頃、ふと そがいな事考えて、眠れんようになったことがあった。
そのことを少し大きくなってからりっちゃんに話したら、すずは真剣に悩んでたっちゅうのに、りっちゃんは不思議そうに首を傾げちょった。
『逆にすずが明日消えたら……、とか言われよっても俺よう分からんし。すずが居らんかったことなんかないのに、想像つかへん』
あっけらかんとそう言いよった。
スーッと闇が晴れるみたいに心が軽くなったんと同時に、たまらなく嬉しゅうなった。
りっちゃんの当たり前の中に、すずがおることが。