リミット・デイズ
最初はようわかんかったけど、りっちゃんの表情を見て、ああ……とすずも察した。
りっちゃんが何も知らないフリしてさっさと席に着こうとすると、萌ちゃんは慌ててりっちゃんに駆け寄った。
「あ、あのね!李仁くんっ」
席に着こうとするりっちゃんの前に割って入って、背の高いりっちゃんを見上げた。
彼女、池田萌ちゃんは天然パーマが特徴の小柄な女の子。
うちの学校では結構”かわええ”と人気。
「李仁くんに話があるけん!放課後………良かと…?」
小柄女子の特権、上目遣いでそう子首を傾げる萌ちゃん。
女でもかわええと思うけん、男なんかイチコロやろな……。
ばってん、りっちゃんは………。
「は?部活やけど」
────この態度ばい。