リミット・デイズ
「あ、あのね……李仁くん。うち、李仁くんが好きなんねんけど………」
萌ちゃんは顔を真っ赤にして言った。
まさに恋する乙女、って感じの可愛らしさや。周りがワッと歓声のような声を沸かせる。
───ばってん、りっちゃんはクラスの空気を読むとかノリに合わせるとか、そないな器用な事が出来ひん。
はっきりと、きっぱりと、思ったことだけを素直に口にするタイプ。
「や、知っちょったけど。だって態度で分かるわ」
───ほらね……………………。
思いもよらんりっちゃんの返答に、しばらく呆気を取られていた萌ちゃんだけど、
気を取り直して、りっちゃんの目をじっと
見上げた。
「そやなくて……返事……」
「返事?付き合おうって事?無理」
────そんな……ばっさりと………。
嘘に聞こえるかもしれへんけど、りっちゃんのこの態度に悪気はない。
”素直”が一周まわって”無神経”になっちょるんだ。