【短編】恋人関係のおわり頃。
『3月 卒業式』
写真の中の私と陽太は、
どこか涙ぐんでいる。
大学は別々だったから
次の月からは遠距離恋愛が始まったっけ。
__アルバムを閉じて、目を瞑る。
色々なことを、思い出した。
大学のとき、会えない距離が辛かったこと。
就職して、こっちに戻ってきてくれたとき
私がどれだけ、嬉しかったか。
たくさん喧嘩もしたし、たくさん泣いた。
でもそれ以上に、たくさん笑った。
全部が幸せで
陽太に出会えて、本当に良かった。
何もかもが奇跡みたいで…
なんだかちょっと泣けてきた。