【短編】恋人関係のおわり頃。
アパートを出た頃には15時50分。
「っ…やばい…」
私は、待ち合わせ場所へと駆け出した。
陽太は時間にマメだから
10分前には着いている。
今までだって、ずっとそう。
『女待たせるとか、カッコ悪くね…?
……っていうのは建前で。
架純が1人になると、ほら…
男が寄ってくんじゃん?』
いつの日かの言葉が、頭をよぎって
思わずふっと笑ってしまった。
あーあ。最後くらい、
陽太を待たせたくなかったな。
そんなことを思いながら、走っていた。