空に咲く花とキミを
「ママ、オレ帰るわ。」

「そう?ま、今日はそれがいいわね。言葉は暴力にもなることを学んだんじゃない?」

「…はい。」

直くんの言葉に、あつ子ママはにっこりと微笑んだ。

あつ子ママはさすが人生の大先輩、直くんと真美さんのお互いの良くないところを指摘して、謝らせることで終わらせた。

当事者2人の中ではまだ終わっていないかもしれないけど、騒ぎは収まった。

あたしは会計を済ませ、直くんの後に続いてお店を出た。

真美さんはきっと人一倍努力ををしていて、今夜は子供たちはおばあちゃんちなのかな、彼女にとってはご褒美的な夜を過ごす予定で来たんだと思う。

それを台無しにしてしまった人の連れとして、あたしも謝ろうか考えたけど、それは余計なことだと思い直して留まった。


「あンのやろう…!オレが謝ってんのにシカトしやがって!」

「…。」

ここに、何も学んでいない人がいることを、とても恥ずかしく思う。

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