空に咲く花とキミを
「……!」

ふと目が合った城間くんが笑顔になるーーーそれは、あたしだけに向けられた笑顔で、何だか顔が熱くなってきた。


「ねぇ華、飲み会いつやるよ?」

「それなんだけど大崎さん、彼氏の許可がもらえるかわかんなくて…。」

あたしは正直に答えた。

「じゃあ彼氏も連れて来れば?」

「無理!それは無理!」

あたしは首をぶんぶん振って、全力で否定した。

直くんを連れて行くだなんて冗談じゃない、考えただけでも恐ろしい。

「じゃあどうすんのさ?田村がガッカリするぞ〜。」

「何で田村くん?」

「さぁね。あ、そろそろラジオ体操始まるから僕行くわ。」

「あ、ずるーい!教えてくださいよー!」

はぐらかしたまま職場へ向かう大崎さんの背中に声を投げたけど、大崎さんはあたしに背中を向けたまま、手を振って行ってしまった。


「田村くん、華さんに気があるんじゃないかな。」

「え?」


< 110 / 261 >

この作品をシェア

pagetop