空に咲く花とキミを
「華さんの職場に、城間ってヤツいないっすか?」

「…えっ。」

突然出てきた城間くんの名前に、酔いが醒めたかと思ったくらい…どくんと胸が跳ね上がる。

「い、いるけど…?」

「じゃあ大崎さんも?俺、同じ派遣会社なんですよ。仲良いんだ〜。」

「そうなんだー…。」

あぁ、びっくりした。

直くんの前で、城間くんの話題が出てくるとは…。

チラリと横目で見た直くんは、機嫌良さそうに焼酎を飲んでいてホッとした。

あたしがこんなにドキドキしているのは、直くんに後ろめたい気持ちがあるから。


そんなことはもう…解ってる。

あたしは城間くんに、心惹かれているからーーー。



「あ〜腹立つなぁ江藤のヤツ。帰ってくれてせいせいしたわ。」

深夜1時半、直くんは不機嫌で、江藤くんとの口論が原因だった。

ハッキリ言って、直くんが悪いとあたしは思う。

「飲み直せるとこねーかな…マジ腹立つ。」

あたしは関係ないのに、なぜかギロリとあたしを睨む直くん。
< 91 / 261 >

この作品をシェア

pagetop