空に咲く花とキミを
仕事は続かない、お金とお酒にだらしが無い、自己中でビッグマウス…あたしはいつしか、そんな直くんの存在が恥ずかしくなっていた。

ほぼ強制的に、勢いで始めた直くんとの同棲……あたしの間違いだったかな。

《了解。てか何かあったの?何で江藤?華さん大丈夫?》

でも、出会ってしまったから。

城間くんと出会ってしまったから、今ここにいるあたしを否定したくはなかった。

《彼氏と江藤くんが同じ職場らしくて、今日家に遊びに来てくれてたんだけど…彼氏が迷惑かけちゃって気分悪くさせちゃったの。》

《そうなんだ。江藤には伝えておくから心配しないでね。それより俺も遊びに行きたい!》

「城間、大介…。」

誰もいない部屋でその名前を呼んでみると、胸の奥の方がじんわりとあたたかくなった。

《うちはカンベンして!彼氏に会わせたくないし。苦笑》

《じゃあ俺の部屋に遊びにおいでよ〜。》

「…。」

城間くんは、彼氏がいるあたしに…どういうつもりでこのメールを送ってくれたんだろう。

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