アーサ王子の君影草 ~スズランの杞憂に過ぎない愁い事~
勝手な願いと分かっていても、それでもまたこの店に来て欲しい。そう強く願う。理由なんて何でもいい、無性にライアに会いたい───。
エリィは会計を済ませるとこちらへ駆け寄ってきた。そして突然にスズランを抱き締めると、耳元で囁く。
「……スズランちゃん。あたし、貴女に出会えて良かったわ! お花みたいに可憐で純真で初心な……何も知らない、そんな貴女をあんな奴らに引き渡すなんてあたしにはどうしても無理…」
「え、エリィさん?」
「これから辛い事があっても、彼ならきっと貴女を守ってくれる筈だから…」
「? あの…、守るって? ぁ…っ」
エリィは少し身体を離すと複雑な表情を浮かべ、スズランの首に嵌っている〝金細工の首輪飾り〟に触れた。
〝それ〟はスズランが幼い頃から肌身離さず身につけているものだった。というよりもこの首輪飾りには一切繋ぎ目が無く、外し方すら分からないままこの歳まで過ごしたのだ。
「こんなのって酷いわ…」
ほんの小さな声で呟くとエリィはまたスズランを抱きしめた。エリィと初めて出会った時と同じく、しなやかな腕と柔らかで豊満な胸に挟まれてしまう。
「……エリィさんっ…、く、くるしいよ…」
エリィは会計を済ませるとこちらへ駆け寄ってきた。そして突然にスズランを抱き締めると、耳元で囁く。
「……スズランちゃん。あたし、貴女に出会えて良かったわ! お花みたいに可憐で純真で初心な……何も知らない、そんな貴女をあんな奴らに引き渡すなんてあたしにはどうしても無理…」
「え、エリィさん?」
「これから辛い事があっても、彼ならきっと貴女を守ってくれる筈だから…」
「? あの…、守るって? ぁ…っ」
エリィは少し身体を離すと複雑な表情を浮かべ、スズランの首に嵌っている〝金細工の首輪飾り〟に触れた。
〝それ〟はスズランが幼い頃から肌身離さず身につけているものだった。というよりもこの首輪飾りには一切繋ぎ目が無く、外し方すら分からないままこの歳まで過ごしたのだ。
「こんなのって酷いわ…」
ほんの小さな声で呟くとエリィはまたスズランを抱きしめた。エリィと初めて出会った時と同じく、しなやかな腕と柔らかで豊満な胸に挟まれてしまう。
「……エリィさんっ…、く、くるしいよ…」