アーサ王子の君影草 ~スズランの杞憂に過ぎない愁い事~
訝しむセイシェルと、なんて事ないと言った態度で葡萄酒に舌鼓を打つエリィ。二人の間でおろおろと当惑気味のスズラン。
そして瞬く間に小皿料理を平らげ、葡萄酒を全て空けると満足そうに一息つく。
「……全くもう、お支払いなら弾むって言ったでしょう? 口うるさい男は嫌われるのよ? ねえ、スズランちゃん?」
「えっ!」
唐突に話を振られて素っ頓狂な声を上げてしまう。
やれやれと肩をすくめるとエリィはおもむろに自身の胸元の中央、もとい胸の谷間に人差し指と中指を差し入れた。
「!?」「っ??」
絶妙な色気と雰囲気に先程からちちらとエリィを盗み見ていた周囲の男性客等がざわついた。
「ハァイ、これで足りるわよね?」
すっと指を引き抜き妖美な笑みを浮かべ〝紙切れ〟を二枚カウンターに置いて静かに立ち上がるエリィ。
エリィが置いた〝それ〟は合わせて200アルマ分の紙幣であり、今回の食事代をとっても不足無い所か充分にお釣が出る。
流れる様な一連の動作にスズランもセィシェルも呆気に取られていたが、エリィが店の出口に向かおうとしたので慌てて引き止めた。
「お、おい!」
「待ってエリィさん! お釣を…」
そして瞬く間に小皿料理を平らげ、葡萄酒を全て空けると満足そうに一息つく。
「……全くもう、お支払いなら弾むって言ったでしょう? 口うるさい男は嫌われるのよ? ねえ、スズランちゃん?」
「えっ!」
唐突に話を振られて素っ頓狂な声を上げてしまう。
やれやれと肩をすくめるとエリィはおもむろに自身の胸元の中央、もとい胸の谷間に人差し指と中指を差し入れた。
「!?」「っ??」
絶妙な色気と雰囲気に先程からちちらとエリィを盗み見ていた周囲の男性客等がざわついた。
「ハァイ、これで足りるわよね?」
すっと指を引き抜き妖美な笑みを浮かべ〝紙切れ〟を二枚カウンターに置いて静かに立ち上がるエリィ。
エリィが置いた〝それ〟は合わせて200アルマ分の紙幣であり、今回の食事代をとっても不足無い所か充分にお釣が出る。
流れる様な一連の動作にスズランもセィシェルも呆気に取られていたが、エリィが店の出口に向かおうとしたので慌てて引き止めた。
「お、おい!」
「待ってエリィさん! お釣を…」