アーサ王子の君影草 ~スズランの杞憂に過ぎない愁い事~
だがスズランにはそうだと頷ける資格などなく、ライアの腕の中で息を潜めた。
「……そんな訳ないか」
暫くするとライアは気まずそうに身体を離してしまいスズランは寂しさを覚えて慌てて声をあげる。
「ち、違うの…! わたしっ…ライアに謝りたくて、ここに来たの」
「謝る? 何を…」
「わたし、あの日あなたにお店に来ないでって言った事……すごく、後悔してて。なんであんな事言っちゃったんだろうって。本当にごめんなさい…。だから、また前みたいにお店に来て欲しいの!」
とにかく一番伝えたい事を矢継ぎ早に口にした。唐突に謝罪を切り出した為か、やはり動揺を見せるライア。
「どうして? ……俺の事、嫌いなんだろ?」
「ちがう…! わたしは…」
「なっ? お前この雨の中どこ通って来たんだ? 怪我してるじゃあないか…!」
話の途中、唐突に怪我を指摘された。そういえば何度か転んで全身どろどろだ。
「来る途中転んじゃって。でもこの位、たいしたことないよ。へいき…」
「平気じゃあない! すごく血が出てる。傷が残ったらどうするんだよ!! ほら、見せろって」
以前から思っていたが、ライアは怪我人や病人を放って置けない性なのだろうか?
「……そんな訳ないか」
暫くするとライアは気まずそうに身体を離してしまいスズランは寂しさを覚えて慌てて声をあげる。
「ち、違うの…! わたしっ…ライアに謝りたくて、ここに来たの」
「謝る? 何を…」
「わたし、あの日あなたにお店に来ないでって言った事……すごく、後悔してて。なんであんな事言っちゃったんだろうって。本当にごめんなさい…。だから、また前みたいにお店に来て欲しいの!」
とにかく一番伝えたい事を矢継ぎ早に口にした。唐突に謝罪を切り出した為か、やはり動揺を見せるライア。
「どうして? ……俺の事、嫌いなんだろ?」
「ちがう…! わたしは…」
「なっ? お前この雨の中どこ通って来たんだ? 怪我してるじゃあないか…!」
話の途中、唐突に怪我を指摘された。そういえば何度か転んで全身どろどろだ。
「来る途中転んじゃって。でもこの位、たいしたことないよ。へいき…」
「平気じゃあない! すごく血が出てる。傷が残ったらどうするんだよ!! ほら、見せろって」
以前から思っていたが、ライアは怪我人や病人を放って置けない性なのだろうか?