アーサ王子の君影草 ~スズランの杞憂に過ぎない愁い事~
ライアのまっすぐな視線に何もかも見透かされてしまいそうだ。上手く言葉に出来ない想いがスズランの瞳からこぼれ落ちる。
「な! 何で泣くんだよ…!!」
「わかんないっ、わかんないよ…!」
次々と溢れてくる涙を止める術がなく、どうしていいのか分からない。ライアは慌てながら立ち上がるとベッドのすぐ傍に屈み込んでスズランの顔を覗き込んだ。
「ああ……泣かないでくれ。そ、そうだ! 腹が減ったんじゃあないのか? 今お茶を淹れてやるから待ってろ」
「……お茶? そういえばわたし、お昼から何も食べてない…」
「なら尚更何か食べないとな」
幼子をあやす様な優しい声色に何故だか懐かしさを覚え安心する。だがその拍子に、スズランのお腹の虫が大きく鳴いた。
「っ!! ご、ごめんなさい!! ……はずかしいっ」
「っふは! 気にするなよ……くくくっ」
「いやぁーー! ライアの馬鹿ぁ!!」
恥ずかしい。ものすごく恥ずかしい。
スズランは泣いていたのも忘れて頬を膨らませた。その顔を見てかライアはますます吹き出す。もう、最悪の気分である。
ライアは先程の女性を呼びつけると、色とりどりの焼き菓子を用意してくれた。
「な! 何で泣くんだよ…!!」
「わかんないっ、わかんないよ…!」
次々と溢れてくる涙を止める術がなく、どうしていいのか分からない。ライアは慌てながら立ち上がるとベッドのすぐ傍に屈み込んでスズランの顔を覗き込んだ。
「ああ……泣かないでくれ。そ、そうだ! 腹が減ったんじゃあないのか? 今お茶を淹れてやるから待ってろ」
「……お茶? そういえばわたし、お昼から何も食べてない…」
「なら尚更何か食べないとな」
幼子をあやす様な優しい声色に何故だか懐かしさを覚え安心する。だがその拍子に、スズランのお腹の虫が大きく鳴いた。
「っ!! ご、ごめんなさい!! ……はずかしいっ」
「っふは! 気にするなよ……くくくっ」
「いやぁーー! ライアの馬鹿ぁ!!」
恥ずかしい。ものすごく恥ずかしい。
スズランは泣いていたのも忘れて頬を膨らませた。その顔を見てかライアはますます吹き出す。もう、最悪の気分である。
ライアは先程の女性を呼びつけると、色とりどりの焼き菓子を用意してくれた。