アーサ王子の君影草 ~スズランの杞憂に過ぎない愁い事~
そこへ突然音もなく現れたのはライアの付き人であるハリだった。店内を見渡している彼と視線がぶつかり、スズランは立ち上がった。
「え、、ハリさん…!?」
「───ああ、こんばんはスズランさん。ライアの気配がこの店の前の大通りで途絶えているのですが、何かありましたか? それに、何故この様な所に警備隊の皆様が?」
「あれ? ハリじゃん! なんでここに…、まあいいや。もしかして、伝達が遅れたのか? アーサは……」
ジュリアンが事の一部始終を伝え始めると、その間批難を込める様なハリの冷たい視線がスズランへと向けられた。何故かじわりと顳顬に疼痛が蘇る。
更なるハリの白眼視に耐えきれずスズランは思わず声をあげた。
「あの……ご、ごめんなさい…。本当に…」
「……何故、貴女が謝るのでしょうか」
「だって、わたしのせいでライアが…」
そう口にするとハリの表情から僅かにあった温度が完全に消えた。切れ長の瞳を細めて蔑む様な目付きで睨めつけられる。
「自惚れも良いところですね。確かに私は貴女の様な存在はライアの重荷でしかないと申しました。出来れば関わりを絶って頂きたいとも」
「おいおいハリ!? 突然何を言って…」
「え、、ハリさん…!?」
「───ああ、こんばんはスズランさん。ライアの気配がこの店の前の大通りで途絶えているのですが、何かありましたか? それに、何故この様な所に警備隊の皆様が?」
「あれ? ハリじゃん! なんでここに…、まあいいや。もしかして、伝達が遅れたのか? アーサは……」
ジュリアンが事の一部始終を伝え始めると、その間批難を込める様なハリの冷たい視線がスズランへと向けられた。何故かじわりと顳顬に疼痛が蘇る。
更なるハリの白眼視に耐えきれずスズランは思わず声をあげた。
「あの……ご、ごめんなさい…。本当に…」
「……何故、貴女が謝るのでしょうか」
「だって、わたしのせいでライアが…」
そう口にするとハリの表情から僅かにあった温度が完全に消えた。切れ長の瞳を細めて蔑む様な目付きで睨めつけられる。
「自惚れも良いところですね。確かに私は貴女の様な存在はライアの重荷でしかないと申しました。出来れば関わりを絶って頂きたいとも」
「おいおいハリ!? 突然何を言って…」