アーサ王子の君影草 ~スズランの杞憂に過ぎない愁い事~
酒場(バル)の仲間はもちろん、ジュリたちや君の両親だって!」

「みんなって、、それにわたしの……両親?」
(パパとママがわたしを…?)

「そうだよ、それに何よりも俺が…」

「う、嘘! パパもママも、ライアだって毎日忙しくて大変だもん。そんな中でみんなの…、ライアの足でまといになりたくない!」

 今の自分では何も出来ない。だからこそ、身を引いたのだ。しかし結局こうしてライアの手を煩わせてしまっている。

「どうしてそんな風に己の評価をさげるんだ……それとも、もう俺とは一緒に居られないって意味? 俺の事、嫌いになった?」

「ちがう! そんなことない! でも、駄目だったもん……わたし何度もライアに会いに行ったの。だけど会えなかった……ううん、会えなかったんじゃなくて、避けられてた…」

 何度も会いに行ったが、多忙だと断られ面会を断られた。実際多忙なのは分かっていたが避けられていたのは事実だ。嫌われてしまったのかと悩み、毎晩枕を濡らした。

「っ…待ってくれ、それは誤解だ! あの時は本当に……いや、ごめん。それにはちゃんと理由があるんだ」

「わたしだって、、理由くらい知ってたもん。……ライアのうそつき」

「っ!!」
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