つよい魔王とよわい勇者
二度目の終末
空は暗く、向こうでは雷がなっている。
鳥が不安そうな鳴き声をあげた。
魔王はそんな夜空を見上げていた。
そして再びあの夜を呼び寄せる。
やっと、これで終わりだ。
だんだん近く雷。
降り始めた雨は嵐に変わった。
二度目の、終末だった。
勇者は強くなった。
強風に打たれることなくしっかりと立っている。
凛々しいその横顔を見て魔王は悟った。
この勇者を育てた甲斐があったと。
「さぁ、勇者よ、我が魔王である。
この世界が我の手の内になるまでに
我を倒すが良い。」
これから始まる戦いを想像すると
楽しくて仕方がない。
魔王はニヤリと笑った。