星降る丘でキミを憶う

そう打ち込まれた画面にシヅキが視線を落とした瞬間、アナウンスが流れた。

「春人、もう着くよ。近くに映画館あってよかったよね」

シヅキはもう画面を見ることをせず一人で勝手に喋っている。

俺もスマホを鞄にしまって降りる準備をすることにした。

俺の住んでる街より少しだけ都会的な、だけど電車に乗って十分やそこらで着いてしまうこの街もやっぱり郊外で。

だけど高校生の行動範囲なんかきっとこんなものなんだろう。

改札を出ると目的の映画館はすぐ目の前にあってシヅキは小走りにさきへと行ってしまう。

「春人ー！早く早く」