星降る丘でキミを憶う


授業が終わり帰り支度をしていると賑やかな声が聞こえてきた。

「春ー」

「凪ちゃんだ。春人に用事?」

「そう。勝也くんはこれから部活?」

「そうなんだけどさ、だるいよ」

「野球好きじゃなかった?」

「今日は雨のせいで筋トレなんだ」

「ああ、どんまい」

「あーあー、行きたくねえなぁ」

「頑張って。明日はきっと野球できるから」

そんなやりとりをしてから凪が俺のところにやってくる。

「春。欲しいもの考えた?」

「本当にないんだって」

「もおー。買いに行くのだって時間いるんだからちゃんと考えてよね」

「いらないのに」

「凪が買いたいの!今日はバイト?」

「ああ」

「明日は?」
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