星降る丘でキミを憶う

「ないよ」

「じゃあ明日一緒に買いに行こう」

「でもー」

「どうせ夜は家で海ちゃんたち待ってるんでしょ?ぱっぱと行ってぱっぱと買っちゃおう」

「凪、明日はー」

「そうでもしないと春が考えてるうちに誕生日過ぎちゃうもん。放課後迎えに来るから待っててね」

俺の返事なんか聞く気すらなく、凪はすでに教室を出ようとしている。

「凪!」

「じゃあまた明日ねー!」

そう言って放課後の廊下の中に消えていってしまった。

なんとなくシヅキのほうへと視線を送る。

「ん?」

そう言いながらにこにこと首を傾げていた。
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