星降る丘でキミを憶う
駅前にでてネオンの看板が連なる通りをシヅキの鼻歌を聞きながら進む。
賑やかな中でもすぐ後ろで歌っているその声ははっきりと耳に届いてくる。
だけどすれ違う人は誰も振り返らない。
シヅキの鼻歌が聞こえていない。
俺だけに聞こえる声。
ちゃんと聞こえる。
重みも感じる。
すぐ近くにいるのに。
他の人には見えていないんだと改めて感じた。
「春人」
人が少なくなったのを見計らってシヅキが俺の名前を呼ぶ。