星降る丘でキミを憶う
ーカシャッ
「映ってるかなー」
暗い中で煌々と光る画面をシヅキが覗き込む。
「私って本当に幽霊なんだね」
その言葉に俺も画面を覗く。
そこには真顔の俺が映っているだけでシヅキの姿はなかった。
「あ、なんで消しちゃうの?」
「自分の写真なんかいらないだろう」
「せっかく撮ったのに」
君がそんな顔するから。
自分の姿が映っていない写真を見た時の君が寂しそうだったから。
だから消した。
いらないと思った。
だって、うまく言えないけど、残したくないと思ったんだ。
一人分の空間を開けて映る自分の姿なんて、残したくなかったんだ。