星降る丘でキミを憶う
第四章~贈~(birthday)
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HRが終わるのとほぼ同時に教室のドアが勢いよく開かれる。
まだ誰一人として教室を出ていないのに凪はチャイムがなり終わるよりもさきに俺のクラスまで来ていた。
「春ってば遅い!早く行くよ」
「そんなに急がなくてもいいだろう」
「凪ちゃんこの後も用事があるの。忙しいの。早く早く」
「いま片付けてるから」
「そういうのはチャイムが鳴る前にやっとくもんだよ」
「チャイムが鳴り終わってからだろう」
「春は真面目人間だなー。凪は六限が終わったらすぐに準備して飛び出してきたのに」
凪がしたり顔で子供のようにぴょんぴょんと跳ねる。