星降る丘でキミを憶う
今日はいつものシヅキで授業中もうるさく、いまも凪との会話に普通に入り込んでいた。
「どこに行くんだ?」
「駅前のデパート」
「あそこなら大きいからいろんなものありそうだよね」
「いろんなものが揃ってるから選び放題だよ」
並んで歩きながら微妙に会話が成り立ってるのを見ているとシヅキが生きてるんじゃないかと錯覚してしまう。
制服こそちがうけどその体は浮くことも透けて見えることもなく、本当に普通の女子高生そのものだ。
「春!急いでるんだからもう少しスピードだして」
「あー。私が乗ってるからね」
「凪に合わせてるから」
「合ってないよ。凪のが早い」