星降る丘でキミを憶う

「可愛い」

「これも可愛くて凪ちゃんに似合いそうだよ」

完全にアウェイだ。

アクセサリーショップでー他の人には見えていないけど俺にはシヅキが見えていて、女の子二人に囲まれたこの空間はとてつもなく居心地が悪い。

そんな俺の気持ちなんて露ほども感じていないんだろう。

シヅキと凪はおおいにはしゃぎながら店内を物色している。

しばらくするとあれやこれやと悩む凪から少し離れてシヅキが一つのネックレスを見つめていた。

小ぶりな星のチャームがあしらわれたネックレス。

それをシヅキはただ、見つめていた。


「じゃあね春。海ちゃんと空によろしくねー」

買い物を終えてー半分以上凪の買い物に時間をついやいして、凪は先輩のもとへと向かっていった。

荷台にシヅキを乗せて駅前通りを人気のない方へ逸れる。
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