星降る丘でキミを憶う

「シヅキ。どこか行きたいところないか?」

「帰らないの?」

「夜まで帰れないんだ」

「海ちゃんと空くんが待ってるんじゃないの?」

「出掛けようって言ってただろう。だからバイトだって嘘ついてきたんだ」

「いけないんだー」

そう言いながらシヅキの声が僅かに弾む。

「じゃああそこに寄りたい!」


なんで俺はケーキなんか食べてるんだ。

シヅキが寄ろうと言ったのはチェーンのカフェで、なぜか俺はケーキを食べていた。

「美味しい?」

ー甘いな

カバンからスマホを取り出して文字を打ち込む。
< 165 / 332 >

この作品をシェア

pagetop