星降る丘でキミを憶う
「春人、いまのは年寄りみたいだよ」
「本当のことだろう。子供の頃はいくらでも寝れた」
「春人の歳でもたくさん寝れると思うけど」
「そうかな。俺は無理だ。寝すぎると頭が痛くなる」
「私は寝れるけどなー」
「シヅキは寝ないだろう」
「そうでした。あ、いい匂い」
炊きたてのご飯と焼き魚。
いつもの朝のいつもの匂いだ。
朝になると漂う匂いに、いつの間にかそれが当たり前で慣れてしまってたけど、本当だ。
いい匂いがする。
なんだかものすごくお腹が空いてきた。
「起こしたよ。いま下りてくるって」
「ありがとう。ちょうどお魚が焼けたところよ」