星降る丘でキミを憶う

人数分並べられた皿に、迷うことなく一番奥の椅子に座る。

海と空が生まれてからずっとそこが俺の席だ。

特に決めたわけじゃないけど、父さんも母さんも、海も空も、俺も、みんながそれぞれいつも同じ場所に座っている。

「いただきます」

一番最後に空が座り、みんなで手を合わせてから味噌汁を啜る。

味噌汁を啜って鮭とご飯を一緒に口に入れて、何回かそうした後でまた味噌汁を啜る。

「春人、今日はバイトお休みなのよね?」

「休みだよ。でもこのあと出掛けてくる」

「春兄、今日はパーティーだから早く帰ってきてね」

「夕飯には帰るよ」
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